「セラミック矯正【矯正装置をつけないで歯並び治療】」の記事では、セラミック矯正に対しての大局的なお話をしました。

今回は、なかでも特にセラミック矯正で出っ歯を治す治療方法について、ポイントも含め詳しく解説していきましょう。

 

出っ歯を治療するセラミック矯正の方法

セラミック矯正を行う出っ歯のレントゲン写真 出っ歯の場合、多くは下の前歯に対して上の前歯が前方に傾斜している状態を言います。咬み合わせとしても、下の前歯の切端が上の前歯の裏側を突き上げている場合が多いです。

このような場合、上の前歯4本または6本をセラミック矯正によって治していきます。まず上の前歯の神経の治療を行い、歯の角度を変えられるように歯を削るための準備をしていきます。

 

セラミック矯正を行う前準備

麻酔をしたうえで、セラミック矯正を行う歯の裏側から小さな穴を開けて歯の中心にある神経線維を取ります。十分に消毒をしたうえで、神経の代わりになる薬で密封します。

このとき、薬による密封度が不足すると、何年か経って歯の根っこの先端で炎症を起こす可能性があるので特に注意が必要です。

セラミック矯正を行う出っ歯の歯を薬で密封した後に、必ずレントゲン写真を撮影し根っこの先までしっかり薬が密封されているか確認することが必要です。

 

セラミック矯正を行う歯に土台を立ててバランスを調整する

その後、歯ぐきより先端寄りの歯質を削り、根っこの中心にグラスファイバーの土台を立てていきます。この時に、グラスファイバーの角度を調整することで出っ歯を治せるように内側に傾け、唇や顔とのバランスを整えます。

グラスファイバーの土台を内側に傾けるので、下の前歯とのあたりが強くなってきます。この段階で最終的なセラミックの厚みが一ミリ以上確保できる位置に下の前歯の切端を調整します。

下の前歯の特に尖っている部分や鋭利に上の前歯の裏側を突き上げてしまう部分のエナメル質をほんの少し削り、限定的に調整していきます。

 

歯の幅を小さくしてスペースを配分

奥歯で普通に噛んだときの中心咬合位を調節し、歯を前後左右どのように動かしても1mmのクリアランスを確保できるように調整します。

その後、仮歯を入れてシミュレーションを行うのですが、前方に押し出されている出っ歯を内側に入れるので、一本あたりの歯の幅を少しずつ小さくして各歯にバランスよくスペースを配分します。

 

ほかの歯の角度を調整していく

標準的には、一番前の歯よりもひと回り小さく二番目の歯を設定します。

三番目の犬歯に関しては、心持ち八重歯ぎみにしたいという希望のある方のときは、内側に入れる角度をやや外向きに設定していきます。

 

仮歯をセットして歯の位置を調整していく

このように調整した後、仮歯をセットしお口を閉じている状態・前後左右に歯を動かした状態で、咬み合わせが特に強くあたっている部位がないかどうかチェックします。ほかの歯との歯の長さや大きさのバランスを整え、顔や横顔の唇との位置関係を見ていきます。

さらに実際に生活していただいて、唇の感触や舌のあたり具合、また、発音のしやすさなど口元全体の感覚や違和感をチェックしていきます。

 

仮歯の状態で模型を作製

これらの仮歯のシュミレーションの後、患者様にOKをいただけたら、シュミレーションした仮歯のまま一度型取りを行い、仮歯の状態の石膏模型を作製します。

歯の色に関しては、多くの場合周りの歯をホワイトニングして、白く明度を上げていきますが、このとき、オフィスホワイトニングだけでなく、ホームホワイトニングも併用し、白さが歯に定着していることが大切です。

 

セラミック矯正の色について

セラミック矯正を行う男性
白さが完全に歯に定着していないと、セラミックの色を決めたときとセットするときで色の動きが出てしまい、正確に色が合わないことが起こり得ます。

 

色にグラデーションを付けて立体感を引き出す

セラミックの色の種類としては、3~4種類程度の異なる色をグラデーション状に混ぜることにより、立体感を出してきます。

さらに、特に先端2mmくらいの位置に透明感を多めに入れこむことにより、歯の透き通った感じを出していきます。また、大きくお口を開いたときに歯の裏側の面が見えたとしても大丈夫なように、歯の裏側の面も色合わせを行います。

 

歯ぐきからの立ち上がり位置を精密に調整

歯ぐきからのセラミックの立ち上がりの位置は、歯ぐきの内側0.5㎜に設定し、前方から見たときに歯ぐきの中から歯が生えてきたように見せる工夫をします。

この立ち上がりの位置が歯ぐきのふちギリギリだと、将来歯ぐきの位置が変化したときにセラミックと歯の境目が見えてしまうので、精密な治療が必要です。

 

まとめ

このように、出っ歯をセラミック矯正で治す場合、いくつかの大切なポイントがあります。特に患者様ご本人がどの程度の角度の調整を望まれているか、治療する側とされる側で共通の目標を共有することが大切です。

出っ歯を治すことにより、お顔全体のバランスが整えられ、より可愛らしい笑顔になられてお帰りいただくことに生きがいを感じております。